http://journal.mycom.co.jp/news/2006/07/20/360.html
アクセシビリティというのは元来文字通り、アクセスのし易さ、操作性の様な意味合い等なのだが、ホームページの世界では、実に微妙なニュアンスを含んでいる。
ホームページ+アクセシビリティと言えば、誰だって「人に優しいホームページ作り」をイメージするでしょ。分かり易いメニュー、迷う事のないユーザーインターフェイス。
しかし実は驚くべき事に、ホームページのアクセシビリティを語る時、見た目の操作性の良さについて語られる事はあまりない。
「人に優しいホームページ作り」は、強いて言えば「ユーザービリティ」という言葉が対応する。
では、ホームページ作りにおける「アクセシビリティ」とは何か。
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まず、「アクセシビリティの改善、向上」を行うといった時、実際に何をするのかというと、グルグルッと転じて、要するに「SEO対策する」って事になってしまうのだ。
(SEO対策というのはぶっちゃけGoogleやYahoo!の検索順位を上げてアクセス数を稼ぐ事。詳しくはまたいつか)
なんでそんな事になっちゃうのだろう?
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HTMLから出来うる限り、テキスト以外の情報を排除していこうという動きがある。ページのレイアウトや段組、文字色やフォントの指定、その他諸々のデザインにまつわる指定を文章からデータ的に独立させましょう。CSSを上手に使えばそれができますよ、と。
で、この「デザインと文章コンテンツの分離」を行うとどんなメリットがあるか。
例えば一つホームページを作り分けずにあらゆる環境に向けて対応させる事が可能になる。PC用、携帯用、文字しか表示できないプアな環境や、果ては、音声読み上げブラウザ(スクリーンリーダー)や点字ブラウザまで、すべての環境で一貫して読む事が出来るページにする事が出来る。まぁ実際には色々な事情で、現状はどんなに頑張っても限界ってモノがある訳だけど。
環境に依存しないページ作りをする事で、いつでもどこでも、誰でも、目が不自由な方々ですらも、全ての人がそのページを読む事が出来る・・・コレがすなわち「アクセシビリティに配慮したページ」とされる。
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でもね、こんなのはタテマエなのですよ。さっきも書いた通り、現実には数々の制約、限界がある。
例えば、いつでもどこでも誰でも、の中には古い「ブラウザを使う人」が含まれない場合は多い。古いブラウザユーザーを切り捨てる「アクセシビリティの向上」ってのが既に、これがタテマエである事を物語っていると思わないかい?
そして、ここからが肝心なのだが、難しい制約が色々あるから結局優先順位は必要って事になって、当然「じゃあ一番読ませたい人は誰か」と言う話になる。そんなの決まってる、「自分のページに訪れてくれる人達」でしょ!その人達が使いやすいページを作ろう!・・・でも、実はそうじゃない。
一番読ませたいのは、ホントの所、有名検索サイトの自動巡回ソフトウェアなのですよ。優先順位は「自分のページに訪れてくれる人達」を集めてくれる人達の方が遙かに高い。
そして、その人達は人じゃなくて単なるソフトウェア。だから、「じゃあソフトウェアが理解しやすいページを作りましょう!」・・・という事になるワケ。
「デザインと文章コンテンツの分離」を行うと、前述のタテマエは中途ハンパに実現されて、同時に、検索サイトの自動巡回ソフトウェアがキーワードを拾いやすくなる。機械が読めて人も読める、それがつまり「アクセシビリティの向上=SEO対策」・・・そういう事なのだ。
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ちょっと大袈裟に書いてしまったけど、商業ホームページ制作をしているのは広告業界だからね、当たらずとも遠からず、と思っていい。漏れは別に、SEOなんて当然の事だと思っているし、むしろイマドキCSSレイアウトもマトモに出来ないホームページ屋は駄目だ、とも思っている。
ただ単に、アクセシビリティって言葉の使われ方が、微妙に気持ち悪いって思っているだけなんだよ。
そして今回のニュースの意味する所は、「自動巡回ソフトウェアが理解しやすいページを作らないとそのうち検索順位が下がるかもよ」と、検索ページ側がページ制作者に向かってプレッシャーを与えているって事なのだ。
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以上、電波な意見なので聞き流してne
あ、iKara微妙にバグ修正。
起動直後の無再生時のダイアログの不具合を修正。
0.61.7.1です。ヘルプも微妙に書き加えた。